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思索:東京(前篇)

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僕は東京生まれ東京育ちなんですが、実は最近まで、”東京”について考えたことが一度もありませんでした。
不思議な話のような気がするんですけど、でも、家族とか身近な友達に訊いてみると、案外僕と同じだったりするんですよね。

なんでだろう? って考えたときに、僕の場合は、「考えるきっかけがなかった」なと思ったわけです。

東京という場所はやはり特殊なようで、様々な地域から人がなだれ込んできます。

上京する理由も人によって様々だと思いますが、多くの人は、”自分の生まれ育った場所”と”東京”を比較して、「自分は東京に行きたい」という判断に至っていると思います。
比較し、総合的に見て、東京より今の場所の方がいいと思ったのならば、東京には出てこないでしょうから。

で、じゃあ自分は、と考えたときに、自分は東京と他の場所を比較したことがないことに気づいたんですよね。
僕だけでなく、東京生まれ東京育ちの多くは、他の場所を意識していないと思います。

TVショーなどで、県民同士の争いをよく見かけますよね。
やれ何県より魅力度ランキングが上だとか下だとか、何県はここが酷いとか、そういった抗争に僕らは縁がないんですよね。
まぁ、京都の人に「東京なんて歴史も浅いし田舎もんの集まりだし...」と言われているのを見たことはありますが、こちらとしては他県を意識したことは一切なくて。

で、他地域を意識しないとなると、すなわちそれは東京について考えるきっかけがないということになるのではないかと考えたわけです。

世の中というものは常に相対的です。
”黒”があるから”白”があり、”暗い”があるから”明るい”があり、”寒い”があるから”暑い”があるわけです。

さて、東京について考えるきっかけがなかった理由がわかりましたが、では、”何故純東京人は他地域を意識しないのか?”。

まず誤解してほしくないのですが、これは決して”王者の余裕”とかではないと思うんですよね。
僕自身、別に「東京が一番優れてるんだ」なんて思ったことないですし。他地域を意識していないので、上も下もないわけです。

で、上も下もないというのは、ある種、「この世には東京しかない」と思っているということなんじゃないかと考えまして。

特に自分なんかは、東京から出たことがほとんどないんですよ。
うちは決して裕福ではなかったので、海外旅行なんて行ったことないどころか飛行機にすら乗ったことがないんですよね。
スーパービュー踊り子で熱海に行ったりしかなくて。

でも熱海に行くのって、実際の体験としては、「東京で特急に乗って、熱海という駅からバスに乗って旅館に行って、一泊して帰る」というだけで、感覚としては、自分が本当に東京から出ているかってわからないんですよ。
いったらワープポイントを経由して宿に着いただけですから。
宿から見える景色も、東京だと言われたらそう思えるような景色だし。

こうならないようにするには、現実離れした場所に行かなきゃいけないわけです。
国外とか孤島とか、明らかに”東京”じゃない場所に。
小笠原諸島とかは”東京都”ですけど、いま僕が言っている”東京”は、僕の認知上の”東京”なんですよね。

やや脱線しますけど、海外に行って「人生観とか価値観変わったわ~」って言ってる人が多いのは多分これが理由だと思うんですよね。
比較の対象を得たことで、それまでの”普通”を違った見方で見ることができるんじゃないかなと思いました。

話を戻しまして。

それで、自分は”東京”しか目で見た・体験したことがないんだなと気づいたわけです。
じゃあ、それは「この世には東京しかない」と思ってるということになるなと。

もちろん日本には東京以外の県があることは知ってますし、世界には日本以外の国があることも知ってますが、それって証明ができないんですよね。
いくらテレビで見たとかネットで書いてあるとかいっても、多分動物的な本能では「東京しかない」と思ってるんじゃないかと思ったんです。

ここで、”ではなぜ東京外の人は東京を体験したことがないのに東京と自分を比較するのか”という疑問が浮かびますね。

これはおそらく”現状に満足していないから”だと思うんですよね。
例えば遊ぶ場所が何もないとか、大きなイベントが東京ばかりとか。
裏を返すと、自分は東京で何ら不自由ない生活ができているから、他地域を意識しないのかなと。

ひとまず、東京について考えたことがなかった理由について、納得できる答えまで辿り着けた気がします。

...

さて、ここで一旦区切りまして。
本当は、”ではその後東京について何を考えていったか”というのも書く予定だったのですが、すごく長くなってしまいそうなので、今回は前・後篇に分けます。

それでは。